Webサイトやブログ、SNS でフリー素材の画像をそのまま使っていませんか?最新のアプリを利用することで、世の中に溢れるフリー素材を、簡単にオリジナルの画像っぽく見せる方法を紹介します。
マーケティングの担当者であれば、Pexels、Pixabay、UnsplashといったWebサイトから簡単に高品質の画像を取得できることはご存知かと思います。そこでは、世界中の写真家が日々新しい写真を追加し、誰もが無料で利用できるように公開しています。これらのサイトにはそれぞれ対応するモバイルアプリも存在し、写真を探してスマホやタブレットへ簡単にダウンロードすることができます。
使用料を払うことなく、あらゆる目的のためにプロレベルの画像を使うことができるというのは素晴らしいですね。Webサイトやランディングページ、ブログ、SNS などでみなさん活用されていることでしょう。
フリー素材に関する1つの問題
「賢人は皆同じように考えるものだ」
この言葉の意味するところは、その素晴らしい画像を見つけたのは、あなただけではないということです。特定の種類の画像については、利用できる範囲が限られていることがよくあります。
お気に入りの画像をダウンロードして、画像検索をかけてみてください。その画像が掲載されてから時間が経っている場合、すでに多数のWebサイトやブログで使用されていることがわかることでしょう。
例えば、Unsplash で ”typing” と検索をすると、次の画像(Photo by Andrew Neel Sponsored by Google Chromebooks)が出てきます。
さて、Xtra ではこの写真を、フリーランサークラウドソーシングサービス「Conyac」のマーケティング活動で使用したいと考えたとしましょう。しかし、試しに Google 画像検索にかけてみると、この画像が既に無数のブログやWebサイトで使用されていることがわかりました。
Unsplash のライセンスには、以下のような記述があります。
「Unsplashは、取消不能の、非独占的な、全世界的著作権ライセンスをお客様に付与します。これは、Unsplashからの写真を、商業目的を含め、無償でダウンロード、複製、修正、配布、実行、および使用するために、写真家からの許可なく、または写真家に帰属させることなく、無償で使用するためのものです。」
- Qlingo にて翻訳
これは、全ての投稿者が、サイトへのアップロード時にこれらの条件に同意していることを意味します。他のほとんどのフリー素材サイトも同様です。
ここで一点、注意すべきことがあります。これらのフリー素材サイトにポートレートをアップしている写真家の中には、モデルがリリース契約に署名していないポートレートをアップロードしている場合があります。フリー画像サイトでは、通常、写真撮影者はリリース契約に署名した人の写真や、利用に関して必要な許可を得た写真のみをアップロードするよう義務付けられています。それにも関わらず、すべての写真家がこの件に注意を払っているわけではなく、また、モデルもその事を考慮していない場合があります。
さらに言えば、写真提供者は過去に撮った古い写真をアップロードしている可能性があり、モデル自身がその事について認識していない可能性があります。したがって、画像を使用する前に、写真提供者に連絡を取り、何か重要事項がないか確認しておくべきでしょう。
さて、ライセンスに従えば、画像に変更を加えることが許可されていますので、本記事では、フリー素材の画像に修正を加え、オリジナル画像っぽく見せるための簡単な方法をご紹介します。既に Photoshop などの高度で複雑な画像編集ソフトを習得しようと時間をかけている場合は、素晴らしいです。これ以上読み進める必要はないでしょう。しかし、そうではない多くの方々のために、無料あるいは安価で、非常に使いやすいさまざまなアプリを使用して、実際にフリー画像に変更を加えながら説明していきます。
1. 水平反転
画像の見た目を簡単に変える方法としてまず挙げられるのは、反転する方法です。通常、左右の反転(水平反転)がよく用いられます。一般的な画像編集ソフトとアプリを使えば、簡単に反転することが可能です。Snapseed(Android, iOS)は使いやすいアプリの一つです。実際にどのように変わるのか見ていきましょう。
▽先ほどの画像を水平反転させたものがこちら
代表的な編集方法の一つではありますが、水平反転も万能ではありません。例えば、この画像のラップトップに注目すると、不自然な部分をすぐに見つけられるかと思います。ただ、この画像の場合は、一見しただけでは気付かれないでしょう。
水平反転は素早く簡単にできる処理であるため、多くのサイトやブログでも取り入れられており、先ほど反転した画像の検索結果からも、そのことを確認することができます。さらに言えば、画像自体はそれほど変わっていませんので、まだまだ同じ画像という印象です。
それでは次に、構図を変更するためにトリミングで何ができるかを見ていきましょう。
2. トリミング
トリミング機能に関しても、一般的な画像編集ソフトを使えば、簡単に行うことができます。先述のSnapseedを使用すれば、自由に、あるいは任意の縦横比でトリミングを行うことができます。手動であれこれ弄ることで、さまざまな画像を作成することができます。
納得のいくトリミングができない場合は、Polarr Deep Crop(現在は iOS のみ)を試してみましょう。このアプリは、自動で数パターンのトリミング結果を表示してくれるため、自身では考えつかなかったお気に入りの構図に巡り会えるかもしれません。ブログの投稿やFacebook、LinkedIn、Twitter で共有する場合は、横長のアスペクト比を選択する事になるでしょう。
▽Polarr Deep Crop を使って本記事(ブログ)用に少し構図を変えてみました
見た目的には、先ほどよりも元画像からの印象が変わりつつあります。ただ、まだまだ同じ画像であることは容易に判別できます。
3. アイテムの削除
次に試すべきことは、写真からいくつかのアイテムを削除することです。Snapseed にも「Healing」と呼ばれるツールがありますが、私のお気に入りのアプリは TouchRetouch(Android, iOS, Mac)です。
▽この画像を見て、何を削除したかがわかりますでしょうか?
この画像での変更は、とても細かいですが、扱う元画像によっては、大きく目立つオブジェクトを削除することで、違いが顕著になる場合があります。
少しずつ元の画像から遠ざかってきていますね。
4. 自動補正
元画像が暗い印象の場合は、ワンタップ(クリック)で簡単にできる「自動補正」を試してみてください。この機能は、Apple Photos やGoogle Photos などのフォトマネージャで利用することができます。Photolemur(Windows, Mac)のようなスタンドアロンのソフトウェアはより高性能で、輝度を調整することも可能です。
▽Photolemur で若干補正をかけてみました
モデルの髪や服に若干色味が加わったのがお分かりいただけますでしょうか。高解像度の暗めな風景写真を用意してお試しいただければ、より明確に実感することができるでしょう。
5. フィルタリング
みなさんは Instagram のフィルタ機能についてはご存知かと思います。SnapSeed を含め、各種フィルタをかけることができるソフトやアプリはたくさんありますので、好みのフィルタリング結果が得られるものがあるかどうか、いろいろと試してみましょう。
▽Polarr app(Web, Mac, Windows, Android, iOS)の基本フィルタを使用してみました
適度な淡いフィルターを選びましたが、フィルタリング前の画像と比べると、かなり印象が変わったと思いませんか?
6. エフェクト
各種エフェクトを使用した画像は、ブランドイメージにそぐわない場合や、好みではない人もいるかとは思いますが、画像編集において、ワンタップでできるエフェクトフィルタで何ができるかを知っておくと何かと便利です。
以下の画像は、BeFunky Web App を使用して作成したものです。Android や iOS のアプリもありますが、使えるフィルタは若干異なります。
実際に Prisma で作成したものもいくつか紹介します。以下の写真は、すべてワンタップで作成できます。フィルタの強度を調整することができますが、難しい操作は必要ありません。
7. ポートレート
本項で後ほど紹介するアプリは、高解像度かつ前面に顔が写っている画像に対してのみうまく動作するため、先ほどまで使用していた画像では機能しません。
そこで、新たにポートレートスタイルの写真を使って進めていきます。序盤は先ほどまでのおさらいです。
▽Unsplash からダウンロードした画像(Photo by Christopher Campbell)
▽まず、Snapseed で水平反転させます
▽次に、Polarr Deep Crop でトリミングします
今回は、それほど修正はしませんでしたが、モデルによってはかなり印象を変えることができます。
ここまで来れば、元の画像からはかなり印象が変わったと思いませんか?
そしてさらに、Photo Lab(Android, iOS)を使ってアーティスティックなエフェクトを加えていきます。Photo Lab は、Prisma よりも顔に対してうまく機能しやすい傾向があります。
以下で紹介する画像エフェクトはあなたのブランドやテイストに合わないかもしれませんが、一つのアイディアとして知っておくと便利です。利用可能なエフェクトの種類がかなり多いため、きっと好みのものが見つかることでしょう。
ご覧のとおり、元画像とはかなり異なったものとなりました。
クレジット
フリー素材を扱っているサイトから画像をダウンロードすると、通常、写真撮影者(投稿者)のプロフィールへのリンクをクレジット表記(コピーライト)するように促されます。ただし、それらのサービスのモバイルアプリではそのように促されませんので、手動でメモを残しておくとよいでしょう。通常、モデルの名前はわかりませんが、明記されている場合は追記することができます。
また、大幅に画像を修正した場合は、「〇〇アプリにより編集」などと追記すべきでしょう。なぜなら、写真家によって修正されたものであるかのように捉えられかねないからです。
まとめ
画像編集は、もはや Photoshop を習得した人だけができるものではありません。現在では、さまざまなアプリやオンラインサービスによって、誰でも日常的にワンタップでハイレベルな編集結果を得られるようになりました。つまり、時間とやる気さえあれば、ダウンロードしたフリー素材を元画像とはかなり違った印象のものへと変え、同じ画像をダウンロードして使用している他者との差別化を測ることも容易になりました。
もちろん、忙しくて編集作業をすることができない場合には、Conyac のようなサイトで簡単にアウトソーシングすることも可能です。ただ、本記事で紹介したようにとてもシンプルな作業で完結できますので、ぜひ自身でトライしてみてください。上記の方法を参考にすれば、きっとお望みの画像を得られることでしょう。
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- Original by DLKR published on Xtra.Global
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